レズ小説、野外露出

お尻ライブ その1



佐奈良 ネヅキ(さなら ねづき)(15)



『』はネヅキの台詞♪ −−−−−−−−−−−−−−−−−−



女の子A「オボロさんですよね!?ブログで知りました!」

『え、は、はい、 ネヅキです。』

 ファミリーレストランでのひととき、食後デザートのショートケーキについた イチゴを先に食べようかどうしようか悩んでいた時の出来事。ライブ会場に 近いとはいえ又もや声をかけられるとは思いもよらなかった。
 なんだかんだであのブログの宣伝効果がすごかったのかなぁ・・・。

女の子B「マジ!?ブログ載ってた子?オボロちゃん路上ライブとかするの?」

『路上でやるためのアンプとかスピーカーが無いので・・・今のところ、ライブで場所借りて  HazyMoon の ネヅキ でやってます・・・。』

   明らかに興味本位だなぁこの子達。話題だけで見つけて演奏も聴かずに騒いでる。 違かったら嫌だから言わないけど。

女の子A「オボロさんのサインもらってもいいですか?」

『あ、はい!H a z y M o o m の ネ ヅ キ って書けばいいですか?』

 嬉しそうに頷きながら生徒手帳のメモ欄を出す女の子。
隣の子もそれに反応してうらやましそうな顔。

女の子B「あ〜!あたしもオボロちゃんの欲しい!!」


 いい加減正式名称覚えろ。




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 いつものミニライブの控え室。自分のギターを眺めながら溜息をつく。 「(朧月)おぼろづき」ってフレーズが先行しちゃってあんまり名前覚えられてない のかなぁ・・・。HazyMoonの和訳なんだけど、これなら素直に英語で彫ってもらえば よかった。

 ようし・・・今度こそバンドメンバーを集めてること言わないと。

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『はぅ・・・』

 先週とは打って変わって出番がなかなか来ない。周囲と会話しないからって、誰も居ない方が寂しいよ。


 あたしは気分転換に裏からステージを覗いてみることにした。

 控え室を出るとステージは目の前。

 女の子が一人立っていた。あたしと違って垢抜けた服装。クラシックギターを抱いて パイプ椅子に腰掛けて、今一閃を響かせようとしていた。

ボイン・・・ボスッボスッ・・・。

 間抜けな音。素人丸出しの旋律で、ふわふわしたアンバランスなメロディー。でも、緊張しきっていたあたしにとっては侮蔑というより、微笑ましい光景だった。

 顔を真っ赤にしながら間の抜けた音で、まるで小鹿のような頼りない足取りで メロディーを繕っていく・・・。

 こんな小さなライブ会場ではよくあること。観客も別に笑い声も談笑も聞こえてこず、 淡々と聞いているようだった。

 ・・・でも、彼女の口から出た音色があたしを硬直させました。
透き通った力強い音圧があたしの耳を刺激し、少し癖のある、でもその癖にすら違和感は無く、「それありき」での美しさ。

 あたしの歌唱力とは段違い。結局あたしの歌声はギターの旋律で誤魔化してただけな様な気がして仕様がない。

『見なきゃよかった・・・。』

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 結局あたしが呼ばれたのは最後。舞台に上がる瞬間が一番緊張するんだよね。 飽きもせずに普段どおりのギクシャク歩きで舞台の真ん中に立つと、 違和感のある光景が。

 お客さんが変に多い・・・。
 何人かはあたしの真似なのか、ツインテールでパンク系の服装が こちらに手を振っている。以前はあまりいなかった人種だ。

観客「ネヅキちゃ〜ん!」

『あ、ど、どうも・・・。』

 いきなり名前を呼ばれて反射的に頭を下げるあたしに笑い声。
以前の囃したてるような歓声だけでなく、純粋な気持ちでファンに「なろうとしている」子も 増えてきたみたい。

 でもあたしは先週の「露出ギタリスト」ではないんだから!そう。今回は バラードで気持ちを抑えながら演奏を・・・


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・・・無理なのは少し分かっていました。

 数少ない自作のバラード曲を弾こうと調整がてら弦を弾くとそこは既に別世界。
そんなアマアマの旋律は性に合わず、次から次へとギグを刻み、壮大な音響に小さな 空間が包まれる。

 ギターの叫びにしがみつくようなあたしのシャウト。それに紛れ、性的絶頂へと脳神経が続いてスパーク。

 雷に打たれたというよりも雷と一体化したようなクラクラするほどの痺れをおぼえながら、目の前のギターと艶(つや)やかにほとばしる「肌色」が視界をいっぱいにする。

 食欲、性欲、肉欲・・・あらゆる欲のタガが外れ、淫らに舞踊りながら音を轟かせる。

 

 欠片でも理性があったのかどうか不明だが自然と前面を隠してお尻を 向けた。

 でもそれが状況を悪化させることに。お尻のお肉が薄いので少し屈めば 肛門が丸見え。
 床からのライトが余計にそれを映えさせ完全にストリップ。
それなのに調子乗った本能はお尻をプリプリ振る。

『(だめだぁ!絶対おかしいことしてるってぇ!!)』

 理性の中にいる小さなあたしが一生懸命本能に訴える。 それも観客からの嬌声や煽り、「もっとやってぇえ!」と半狂乱の叫びを 聞くとその理性の声は羽虫の羽ばたきにもならないほど微かなものになって いった。

 あたしはギターの旋律を響かせながらも天を仰ぐ。

そして大きくジャンプをした。




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 今回の無能のこだわりとして、演奏描写を一所懸命表現してみました。
なにせギターなぞ弾けず、音楽知識も乏しいので、「良く分からんけど
とにかくスゴイ演奏(歌声)なんだな」って微塵にでも感じてくれたら
いいな。語尾が最初から断定語なのに敬語を混ぜていたので修正*
  
 バンド演奏ってスゴイモンで、その快感は性行為以上になるってもんです。
実際は知らん(ぇ




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