調教部屋第2部 マドカ視点







ミチユ「はぁ?もういいって。」

 脱力気味にあたしへ言葉を返すミチュ。完全に腑抜けヅラで頬杖ついているバカへ舌打ちをする。「あの」騒動からは数ヶ月経っていた。

『んだよ。あんなんでもう降参ってのか?次の夏休みにリベンジマッチだろ!なぁ!』

 挑発するようにミチュへアプローチするが、ミチュは悪の権化であるリリの後姿を顎で指す。

ミチユ「あたしがやる気なくなったのもあるけど、ほら、最近のあいつ、全然びくついたりとかないんだよ。」

『調子乗ってるってだけだろ!?いいじゃんかよ、もう脅迫画像消したんだろあいつ?』

 脅迫画像を全消去したのは本当のようだ。胸糞悪い話だが、チユがリリの家によく遊びに行っているらしい。 そのときパソコンも何度か目に入ったらしく、ネットに繋がっているパソコンはリビングの共用のもの だけ。つまり、そんなところにあたしらの恥ずかしい画像を保存したり、送受信させるなんて到底無理な 話ということだ。

 つまり、あいつに良いように遊ばれていたって事!それをチユとミチュは、まるで喧嘩両成敗とでも言うように 仕返しを諦めている始末だ。あたしは再度ミチュへ諭すように顔を近づける。

『今度はちゃんと計画してやればさ!な?あんな調子乗りほっといたら舐められるぞ!?』

ミチユ「チョづいてるとかでもなくてさぁ、悟ってるっていうか、覚悟決めてるっていうか・・・。いじめ甲斐ねえぞきっと。」

 よく分からない言い回しに苛立ちながら、ミチュの口元へ耳を傾ける。

ミチユ「この前だよ、あの騒動のすぐ後に偶然肩が当たってぶっ倒れてさ。そうだなぁ・・・ 調子乗ってるなら、そのあとあたしを嫌味ったらしく睨みつけるだろうな。仕返しが怖いなら昔みたいにビビるだろ。」

『ん〜・・・まぁそうかな。』

ミチユ「ところがあいつ、ヘラヘラ笑いながら”ごめ〜ん”だとよ。」

ミチユ「きっと虐めようと思えば今まで以上に簡単に出来るぜ?でもあの調子じゃあ、マネキン虐めてるようなもんだ。とにかく、あたしはやらねえ。」

 あたしはこれ見よがしにため息をつくと、苛立ちながら廊下を出た。マネキンだろうが何だろうが、酷い辱め(はずかしめ)を受けたのは事実だろうが!

 ・・・ったく。あたしだけでもやってやる。とにかくムカつくんだよあのバカッ・・・!

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ばしゃあああ!!

リリ「きゃあっ!」

 トイレの個室に響くリリの叫び声。バケツを持ったあたしはその声を聞いてニヤつきながら、 個室のドアが開くのを待つ。

がちゃっ・・・。

リリ「あぁ〜つめたい・・・。あ、北本さんかぁ。何?」







はぁ!?

 何だこの違和感。「あぁ、北本さんかぁ、何?」だぁ?

『え、あ、あぁ・・・。』

リリ「何ヶ月ぶりだっけこれ?えっと・・・半年も経ってないくらいか。もうあの時から何年か経ってるみたいだね。」

 とにかくヘラヘラ、言葉はのらりくらりとしていて、とにかく返す言葉すら出てこない。 まるであたしがリリにじゃれてるような気になってきて・・・とにかくあたしの行為がくだらない事のような 気持ちになる。

リリ「えっと、まだ何かある?」

『あ、えっと・・・いや・・・。』

 ”暖簾に腕押し””糠に釘”・・・あたしはシャツの袖を絞りながら歩いていくリリの後姿を呆然と眺めていた。

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リリ「い、いたたたっ・・・。」

 夏休みの初日。他校の仲間を連れてきて、教室でリリをボコる。この他校の二人はそれこそ大した仲と言うわけでもない。 たまに暇な時渋谷をうろつく時に誘うくらいのメンツで、交流があるのは万引きとか夜の逆ナンとか、そういうことを する時に意気投合するという理由だけだ。
 それもこれも、ミチュ、チユが腑抜けになったから仕方が無い。

  A「な〜んかヘラヘラしてるだけでつまらないわねぇ、こいつ。」

 素っ裸にされたリリの頭を踏みながら呟く悪友。あたしはあくびをしながら それをスマホのカメラ越しに鑑賞していた。

B「大して金持ってないし。この制服も買取で2,3万かな?」

 もう一人の友人もため息混じりにリリの財布を漁っている。取り出したのは2000と数百円。

 ・・・以前みたいに3人がかりで苛めればテンション上がると思ったのだが、どうも駄目なようだ。 このままだとこの2人も今回の件だけで飽きてしまうだろう。

『ちっ、じゃあこいつんところ行くか。』

A「何こいつんところって?」

 あたしは自慢げにスマホをサクサク動かし、ある動画を見せる。

B「誰この子?タメっぽいけど、素っ裸で踊ってる〜。ホッペ腫らしちゃってかわいそ〜。」

A「はははっ!鼻垂らして泣いてんじゃん!だっさ。」

 ふらふらと起き上がったリリにもスマホの画面を向ける。あたしは変な期待が混じった 笑みを浮かべた。
 あたしの表情と反比例するように、リリはどんどんと顔が青ざめてくる。あたしはニヤケが止まらなくなった。

リリ「あ、アイリちゃん・・・!?」

『あれぇ?お知り合いだった?それは奇遇ね〜。』

 教室内が大爆笑。アイリというのは、このバカリリの数少ない親友だ。

A「で、この鼻垂れ女、どっかに連れて来てんの?」

『あぁ、今日 本格的に苛めてやろうと思って、向こうの公園の女子トイレに素っ裸で待機してる ように指示しといた。』

B「素っ裸ってw」

A「んじゃ早く行こう?」

 悪友の言葉を制して、あたしはリリの顔を覗き込む。以前のような卑屈な表情がそこにあった。

『ふふふっ、あたしはもう少しこいつと遊んでから行く。そうだなぁ。昼の3時に公園集合な!』

A「ちょ、3時間以上も公園に待たせていいの?w」

B「か〜わいそ〜ww」

『リリも公園連れて行くよ。2人とも素っ裸でご対面とか感動的じゃね?』

 再び教室中笑いが響いた。




*イジメという暗いテーマを行うからには、”仕返しをするための大義名分” が無いと一方的なものになってしまうと考えているので、ちょっと前置き長いですがお付き合い下さると うれしいです。  イジメとかする奴は永遠に地獄の業火に焼かれるべき。イジメを擁護するような大人はもっと酷い生き地獄を 味わうべき。 *既に次の話も出来てます(。・ω・。)

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