ミニ
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山木 メク(16)9/25

夏休みボケから回復した時期です。もぉ、ヒサゴさんたら始業式の日に急に「夏休みの宿題見せて!!」だもの。
少なくとももう少し早くに言って欲しいです。一緒に宿題を手伝はなくてはならず、とても大変な夏休み明けでした。
今日もいつものように昼ごはんを食べ終えて売店でアイスでも買おうと思っていると、わたしのポケットがブルブルと震え出しました。
そのポケットから携帯電話を取り出すと、着信を知らせるランプが点滅しています。母からのようです。
わたしは売店から離れて、廊下の窓側に移りました。
メク「ん?何?」
「あ。メク〜♪ママだよぉ♪」
いつもの元気な母の声。わたしのおかあさんは生態研究の第一人者で、たまにわたしに奇妙な生物を持ってきては驚かせます。
メク「おかぁさんなのはわかるよぉ・・・。何の用なの?」
「至急、ママの研究室に来なさい。どうせ今日はこれで授業終わりでしょ?」
メク「・・・そうだけどぉ。いったい何なの?」
「来れば分かるわ。」
そういうと、母は電話を切ってしまいました。
ヒサゴ「メクゥ!!」
そういってヒサゴさんが急に抱きついてきました。なんかいつもやられてて慣れてしまってます。
メク「あ、ヒサゴさん。もぉ帰るの?終礼は?」
ヒサゴ「あんなもの出るわけ無いじゃない!!シカトして帰るところよん♪メクは又アイスでも買うのかい?お腹気をつけなさい。」
そういうとヒサゴさんは下駄箱の方向に駆けていきました。
???「こらぁ〜!!!紗枝原ぁ!!!又終礼サボる気かぁ〜!!!(キレ。」
ヒサゴさん担任の先生がものすごい形相でヒサゴさんを追いかけて来ました。でも、既に靴を履いたヒサゴさんはダッシュで階段を下りていきました。
最近ではいつもの風景になっています。


終礼を終えてからわたしは母の研究所に着きました。
目の前のドアのブザーを押して待っていると、ドアの鍵を開ける音がしました。
研究員「あ、山木先生の娘さんですね。おかあさんがお待ちしてますよ。」
そういうと、この男の人はわたしを奥に案内しました。まもなく、生態研究室に入れられました。最近はあまり来てなかったので懐かしいです。よくここで変な生き物を見せられたっけ?
今回もそうなのかな・・・・?
「あ、メク〜♪いらっしゃい。」
メク「お母さん。いったいなんなの?」
そういうと、母は満面の笑みを浮かべてわたしに顔を近づけました。
「ふふふ・・・実は、ママ、凄い発明をしたのよ!」
いつもそう。母はいつも「大発見大発見!」とか言いながらまったく世に出たことが無い発明ばかりしている。今回も多分そうでしょう。
「なんと!遺伝子と化学成分だけでまったく同じ生物を作れたのよ。」
????良く分からない・・・。
「まぁ、とにかく見てみなさい。」
そういうと、真っ暗なここの部屋が急に明るくなりました。とはいっても、薄明かりで、床ははっきりと見えませんでした。
照らし出されたところにはなんかすごい機械が並んでいて、変な生き物がでかい瓶詰めの状態になっていたりしています。
メク「うぅ・・いつ見ても気持ち悪いなぁ・・・・!?」
ふと横を見ると、わたしの顔がありました。鏡かと思ったら・・・・違っている。背も小さいし、目をつむってるし、・・・何より全裸の状態で胸も無い。
これが液体に満たされたガラスの筒のような中に入っている!!
メク「ひっ!・・・な、なんなのぉ?これ・・・?」
嫌な顔をしているわたしを尻目に、母は自慢げな表情でわたしを見ています。
よく見てみると、このわたしのそっくりな「モノ」は手と足が少し違いました。手は指が少し小さい感じがして、足も鉄腕アトムの足みたいでした。
でも、なんだか気持ち悪いと言うより、ちょっと可愛らしい感じがします。
べ、別にわたしの顔と似てるからではないです!なんか、全体的のバランスが意外に可愛らしい感じがするんです。
「この子はメクの遺伝子配列を使って作ったものよ。指と耳は複雑らしくて簡略化されてるみたいだけど。人工的な人間ってところかな?」
そう言われると、似てると言うか、わたしの子供のころそのまんまです。細かいところを除いて。
・・・・だが、なぜわたしの遺伝子を使う?
この、ちっちゃい私の顔を覗いていると、いきなりそれがぱちっと目を開けました。
メク「ふげっ!!!。」
いきなりの事にわたしは間の抜けた声が漏れました。
「それじゃぁ、この子をあなたの部屋に居座らせてあげてv」
そんな事いわれても困ります・・・。わたしは母と父との三人で暮らしています。なのになんでわたしの部屋で・・・。
メク「な、なんでそんな急に・・・・。」
「これは、同じ遺伝子配列の生き物が生活したらどうなるかって実験よ。・・・それにしてもなんで同じ遺伝子配列なのに少し形状違うんだろうなぁ・・・。」
メク「・・・名前は?」
「ミニメクちゃん。」
・・・・そのまんまやないけ・・・




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