ちっこい?
ちっこい?


雪幹 ユウミ 7/19

窓からの明かりであたしは目を覚ましました。目覚まし時計を見るともう12時。一瞬ビクッとしましたが、夏休みに入っていることを思い出すと、ゆっくりと体を起こします。

ユウミ「くぅううう・・・・」
あたしは雪幹(ゆきみき)ユウミ。学校では友達もあまりいなくて、今時の学生とはまったく違くて、携帯電話すら持っていません。 彼氏も・・・できた事がないです・・・。自分で言うのもあれですが、凄く内向的なんです。話しかけられてもうまく会話に入れないし・・・。

いっつも子供に戻りたいって思っていました。今では周りを無性に気にしたりして、昔の無邪気さは何処いったんだろう?なんて思ってしまいます・・・。

ユウミ「ふぅ・・・ん?」
なんだか今日は体全体に違和感がありました。見てみると、服が大きくなってる気がします。
ユウミ「あれ?なんか下着もブカブカ・・・」
そんな変な違和感を感じながらベッドから立ち上がると、いつもより幾分か視界が低い位置にあることに気づきました。立っているのに座っている感じです。
ユウミ「え・・・まさか。」
とっさに近くの大きな鏡を見ると、そこには体とは不似合いなパジャマを着ている小さな女の子しか映っていません・・・。
ユウミ「え?君・・・誰?・・・あれ?あたしは?」
そういいながら鏡に映っている子供をみると、自分と同じように口を動かしていました・・・やっぱり「あれ」があたしみたいです。

ユウミ「ちっこくなってるぅううう!!!」
あたしはあたふたです・・・とにかくあたふたです。やっぱり胸を撫でてみてもぺったんこ、股間を触るとつるつる・・・。

ユウミ「な、何で子供に・・・?」
昨日の事を思い出してみても別に変なもの食べたわけでもないし。あ、そういえば昨日のラーメン屋のラーメンはおいしかったなぁ。なんて意味の分からない考えがぐるぐる回って大混乱でした。
体の発達状況から考えて小学生くらいでしょうか。皮肉にも私の望んでいた無邪気な時期です。まだ物心つかず、誰とでも気軽に話しかけることが出来た時期・・・。
ユウミ「う・・・どうしよう?こんな姿になったら、学校行けないよぉ・・・」
これからの事を考えると涙が溢れてきました。又小学校行くのだろうかとか親には何て言えばいいのかとか・・・ちなみに今あたしはマンションで一人暮らしをしています。

どれくらい泣き続けていたでしょうか・・・。メソメソと泣いている様は本当に子供です。ふと、あたしはもう一度自分を鏡で見ました。
ユウミ「・・・あたしって、こんなに可愛かったんだ。」
パッチリとした瞳を潤ませている自分の顔は、自分で見てもなんだか愛らしく、無垢な感じを与えます。最近はいつも疲れた顔をしていた自分の顔があまり好きではありませんでした。
特に親しいような友人もほとんどいないし、全てを打ち明けられるひともいない。ずっと単調な日々だし、これからどうなるのかも分からない。逆に言えばもう1回子供になれた!ってことです。

でも・・・なんか気持ちは複雑です。


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